およそ人間の労働は手作業から始まった。手先が器用なのは昔から重宝されるし、そこから工芸といった伝統文化も発生した。時間と手間暇をかけて物を作り出す。職人・マイスターの仕事がまさにそれだ。機械で何でもできるようになった時代だからこそむしろ手作業に拘る、そんな時間があってもよいと思う。絵を描く、陶芸に凝る、裁縫をする、楽器を奏でる、料理をつくる…昔から人間は手を使っていろいろなことをしてきた。また手先が器用な人はボケないということも聞く。その気になった仮想現実に溺れるのではなく、ひと手間かけて汗をかく本来の労働、娯楽は人らしくあるために忘れてはいけないと思う。AIに生活を脅かされるといって白旗を振る前に人ができることはまだたくさんあるはずだ。