一昨年の2019年に金融庁が公表した報告書に老後30年間で2000万円が不足するとあり話題になった。お金の心配は長生きをすれば常につきまとう問題だ。結局お金をためるには、長期の就労を余技なくされ、加えて節約と運用ということになるだろう。実際子供が大学を卒業するまでは支出超過となり、余裕がある老後には資金不足となる。最近は子供が大学は出たものの定職に就かずフリーターとなるケースも多い。社会人となった子供の生活費を切り離せないと当然親としての人生設計は崩れてくる。やりくりである「予算」という経営的な考え方も必要だ。いずれにしてもこれからはお金に関するリテラシーは欠かせない。だが、忘れたくないのがお金を増やすための直接投資だけでなく自分の視野を広げたり精神的なゆとりを持つための自己投資。できれば教養あるシニアを目指したいもの。老後を生き抜くためとくにこれから自らがお世話になる医療や介護のしくみといったことをしっかり勉強しておくことも自らを守る知的武装である。